ヘラクレストレーナーの将輝(まさき)です。
今回は「フィットネスで柔軟性を高められるのか?」をテーマとした記事です。
ジムに通っているような方から一流のアスリートまで、運動をしている方にとって柔軟性は必要な要素です。
柔軟性が必要・重要な理由としては、
- 柔軟性は関節の可動範囲を広げる。
柔軟性が低いと間接(≒身体全体)の可動範囲が狭くなってしまい、思った通りに身体の調整が出来ません。 - 運動を安全に行う。
- 運動した後の筋肉疲労の回復を早くする。
などが挙げられます。
また、柔軟性は成人になってからも大切です。
フィットネスの世界で使われる「柔軟性」は英語で「Mobility」と言い、意味としては可動性や自由かつ容易に体を動かす能力のことになります。これは「筋肉自体の柔軟性と関節の可動域の広さ」と言い換えてもよいでしょう。
筋トレの記録が頭打ちになったときなど、原因は筋力の不足ではなく「柔軟性」に制限がかかっていることが少なくありません。そのため、上級者になればなるほど「柔軟性」が身に染みてくるようです。
目次
筋肉をほぐして柔らかくする「筋膜リリース」
「筋膜リリース」をご存じでしょうか?
以前より理学療法の中で行われていましたが、最近では疲労回復や身体機能の改善を目的として一般でも拡がっている施術の一つです。
筋膜リリースのやり方
筋膜リリース向けの器具「フォームローラー」や「ラクロス・ボール」を使用し、器具の上に腕や足を乗せ、前後左右にゆっくり動かすだけです。
これは、固まった筋肉をほぐして柔らかくすることが目的です。筋トレによるダメージが蓄積して筋肉が張った状態のときには、とくに有効でしょう。最近ではマッサージガンなども人気です!
全身の筋肉をまんべんなくほぐしますが、張っている箇所はとくに入念に時間をかけます。
実はかなりの痛みを伴うのですが、ここは我慢が大切です。筋膜リリースの場合、痛くなるまで続けることで、はじめて筋肉がほぐれます。
関節の可動域を広げる「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」
「動的ストレッチ」とは、反動を利用して関節の可動域を広げることが目的のストレッチ方法の一種です。
ヨガのアーサナ(ポーズや体位)をベースに行うこともあります。
同じ動作を何回か繰り返しますが、無理のない程度に動作域を徐々に広げていきます。
ウォームアップとは目的が違いますので、動きのスピードを速める必要はありません。
心地よく筋肉を伸ばす「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」
「静的ストレッチ」は同じ姿勢を一定時間保って、筋肉を伸ばすストレッチです。一般的にはストレッチといえば、この静的ストレッチを指すことが多いでしょう。
1つの姿勢で最低20秒、時間が許す限り長い時間をかけ、また何回も繰り返します。
ストレッチを行う上で重要なポイントとしては、呼吸を止めないこと。ストレッチ中は常に筋肉に酸素を行き渡らせてください。
また、筋膜リリースとは違い、静的ストレッチでは痛みが出るまでは筋肉を伸ばしません。無理をすると、かえって筋肉を損傷してしまう可能性があります。心地よいと感じるところで、できるだけ長い時間その姿勢を保ってください。
もう1つのポイントは、ある筋肉を伸ばしたら、それに拮抗する筋肉も同じように伸ばすことです。たとえば太ももの前面(大腿四頭筋)を伸ばしたら、必ず裏側(ハムストリングス)も伸ばさなくてはいけません。
ストレッチは、どれだけやってもやり過ぎるということがない唯一のトレーニングです。
筋トレやランニングと違ってすぐに結果が見えるわけではありませんが、継続して行うことで必ずよい成果が表れてきます。
毎日のトレーニングとセットで行うと効果的
Flexibility and Strength Training
(K.Thrash and B.Kelly, 1987)
この研究では18~41歳までの13人の男性に11週間(計29回)、全身のウエイトトレーニングをフルレンジ(大きな可動域)で行わせ、その前後で柔軟性を測定した、というシンプルな実験を行っています。その結果、
足関節背屈可動域
+5.5°(p<0.05)
肩関節伸展可動域
+6.7°(p<0.05) 足関節底屈、体幹屈曲、体幹伸展、肩関節屈曲可動域は有意ではないものの向上 (p>0.05)と、身体は固くならず、むしろ可動域の向上が認められました。
研究自体がだいぶ古いものになりますが、裏を返せば筋トレで柔軟性は損なわれない、むしろ柔軟性は向上すると明らかになっています。
引用元 トップアスリートを支えるスポーツトレーナーのための科学的トレーニング塾 https://x.gd/eIY12
まとめ
・筋力トレーニングは柔軟性を向上させ、柔軟性に悪影響を与えることは現時点ではないと考えられる。
・ストレッチをするだけでも柔軟性は獲得できるが、筋力トレーニングは同時に筋力も高めることができる。
・筋力トレーニングとストレッチを実施する際には、トレーニングの質を下げないようにストレッチを取り入れるタイミングを考える必要がある。

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